東京選抜合宿 01
「キレーだなー」
選抜合宿初日。
芝生にダイブする少年が一人。
「気持ちいいー」
彼は風祭将。
桜上水FW(中2)
「何やってんだか」
水野竜也。同じく桜上水キャプテンMF(中2)
どんな時でも素直に行動してしまう風祭に少々呆れ顔である。
その隣にいるのは不破大地。桜上水GK(中2)
何を考えているのかわからない。きっと今の風祭の行動に思考をめぐらしていることだろう。
風祭にその隣で寝転がっていた少年が声をかけてきた。
「ぼくも同感」
少年は杉原多紀。高縄MF(中2)
優しい顔をした穏やかな印象である。
「いいよね 芝生って」杉原が言った。
「うん」と、風祭。
合宿だというのに初日からなごみモードになってしまった。
すると
「見ろよあれ」
「芝生なんかではしゃいでるぜ」
「ダッセー」
「カッペ丸出し!」
彼らはクラブユース出身、U−14では有名な3人組である。
雑司ヶ谷南MF(中2)郭英士、瀬田第三MF(中2)若菜結人、野上ヶ岡FW(中2)真田一馬。
ふん、と真田が勝ち誇った顔をする。
それを見て風祭は「何かいわれてるね」
彼の場合、嫌味でなく本当にわかっていないのだろう。
「ぼくらと仲良くしたいんじゃない?」くすっと杉原が笑う。
もしかしたら杉原は腹黒いかもしれない。
「せっかくの嫌味も通じないとみじめだな」と不破。
「ぷ」水野は吹きだした。
郭はこのようなこと流せるが、若菜と真田はそうもいかない。
「てめぇら!」ヒートアップしようとしたその時、
「なにやってんのー?」少女が言った。
一同はふいをつかれた。女の子がいるなんて。
「ここは部外者立ち入り禁止なんだけどほら、しっし」
彼女はまるで犬を相手にしているようだった。
「部外者じゃねえよ 選抜の合宿でここに呼ばれたんだよ」と真田がむっとした顔で言った。
「ぼくらも」と風祭。
少し驚いた顔で「え なんだそーなの」と少女は言った。
「ごめん全然そんな風に見えなくてさ」
悪気があって言っているのかそうでないのか、顔に出るもの出さない者、風祭以外は全員カチンときたに違いない。
「それだったら早くいったほうがいいよミーティングするって言ってたし じゃね」
にっこりと笑って少女は去って行った。
その笑顔は誰しもが思った。かわいい と。
身長は風祭より2、3cm高いくらいだろう。
髪型はオレンジブラウンに染めているボブ。
猫目で少々きつい印象をうけつが、とても可愛かった。
その後姿を見つめて、
「誰かな あの人」風祭が言った。
「さあな ほら行くぞ、風祭」水野は合宿初日これ以上大事にはなりたくないと思い、その場を後にした。
「うん」風祭、不破、杉原がその後に続いてく。
「俺たちもいくよ」郭が言った。
「ああ でもほんとに誰かなあの子」と、若菜が言った。
「どうでもいーだろ」と、真田。
「ちょっと可愛かったよな な、英士?」
「さあね」
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あとがき
はい、初回のゲストは意外と会話の多い若菜君でーすはい拍手
若菜「つーか思ったんだけどさ、これ全然場面動いてなくね?」
え…そーかなーぜんぜんきづかなかったやー(棒読み)
郭「そんなんでいいと思ってんの?」
真田「つーか芝生のおっさんどこ行ったよ?」
あ!なに勝手にでてきてんの!?
若菜「そーだよ!せっかく俺だけなのに!」
郭「悪い、でもこのカス作者に一言言ってやりたくてさ」
真田「そうそう、第一俺こんなヘタレっぽくねえし」
『お前はヘタレだよ』
むしろお前は原作通りの動きしかしてねーよ
さてこんなところでひきつづきお楽しみください☆
真田「なに!?」
郭「やめろ一馬、悪いくせだぞ」
20081130